2017年8月11日金曜日

8月11日


イギリスの登山家ティルマンが「世界一美しい谷の一つ」といったランタン谷にトレッキングしてきました。714日から9日間です。なぜモンスーンの天候不順期に?いえいえ、高山植物が真っ盛りなのです。ヒルの歓迎も受けましたが。

シャブルベシまで車で入ります。ここはすでにチベット人が多く見られるバザールです。そのまま歩き始め、午後4時にラハレのチベット人経営のロッジに着きました。この家族は翌朝カトマンズに行くということです。

二日目は急坂を登り切りリムチェで昼食後、リバーサイドで一泊。三日目はゴラタベラ付近から森林帯を抜け出し、いよいよ高山植物の世界に入ります。歩くのに苦しいのと、花をカメラに収めるのとなんとも落ち着かない日です。地震の災害から復興しつつあるランタン村に泊まります。

四日目はキャンジンゴンパ泊です。この村も地震の被害で全壊し本村のランタン村より大きなロッジを立てています。ランタンプランの貞兼綾子さんはゴンパの建設を支援しています。

五日目はランシサカルカにテントを張って二泊しました。キャンジンでカルカの様子を聞いたところ、「ヤクしかいないよ!」「牧童は?」「チャイナ(いない)!」その通りでした。

花々は私の文章表現力を超えて魅力的です。写真でお楽しみください。

(スガジイ)

        



  


2017年8月4日金曜日

8月4日

ここ何年か日本人の主婦からカトマンズの物価の値上がりをこぼされます。国際通貨基金(IMF)発表の消費者物価指数の推移をみると、2008年から毎年の上げ幅が大きくなっているのがわかります。名目GDPの急上昇もこの年から始まります。
この年はリーマンショックが起きた年ですが、ネパール経済と切っても切れないインドも2008年を境に同様の傾向を示しています。バングラデシュも同様です。他のアジア諸国では別のトレンドなので、インドを中心とする経済圏の特異現象なのかもしれません。
ちなみにネパールの経済学者は、リーマンショックのネパールへの影響について、グローバル経済から孤立した国だから影響はほとんどないと言っていました。
私は生活必需品の買い物をしないので、物価の値上がりを皮膚感覚でとらえることはできませんが、タクシーの料金の高くなったのは感じます。誰も料金メーターは使いません。運転手に聞いてみると、一日の売り上げは2,000から2,500ルピーのようです。オーナーからの車両借り賃が1,000ルピー、ガソリン代が700ルピー、粗利は300~800ルピーです。これでは生活も楽でありません。
カトマンズではほとんどの人がスマホを持っています。携帯電話契約数が1百万台を超えたのが2006年です。前年比500%増です。この年から急激に伸びて、2015年には2,751万台に達しました。国民一人1台の計算です。2006年はマオイスト内戦が終結した年です。
もう一方の通信革命の雄であるインターネットの普及率推移を見ます。2010年から急上昇します。この年一年で4倍の増加です。2009年に1.97%の普及率であったものが2015年には17.58%とこの間9倍に増えています。
おりしも連邦制に移行するに際し、情報通信技術の普及向上が地方自治体の発展を左右するように思われます。
また、これらの現象を見ると、平和になって経済発展の速度が促進されることが見て取れますし、政治が不安定でも国民はしたたかに富を追い求めているのではないでしょうか。
(スガジイ)

2017年7月28日金曜日

7月28日

ネパールで20年ぶりの地方選挙は第一フェーズが第346州の3州で514日に投票され結果が出ました。
候補者数のクオータ制で、女性とダリット(カースト制での弱者)が優遇措置を受けており、女性は候補者5人に2人と規定されています。開票結果ではクオータ制が不要と思われるほど女性の当選者が出ました。全議席13,400のうち5,44540%)が女性です。大統領も国会議長も女性の国です。
ちなみにこの国の男女平等度は144か国中110位(2016年)です。どこかに女系天皇云々を論争している国がありました。この国は111位です。
いつから女性の地位がこのように高くなったのでしょうか、あるいは真の意味での地位向上なのでしょうか。45年前になりますが、フィールドワークで暮らした東部山地の村では日々の暮らしの中心は女性でした。男性は昼日中博打に興じたり酒を飲んでいます。女性は薪とり、水汲み、畑仕事と大忙しです。女性の財産は金の装飾品で常時身に着けています。これではおいそれと追い出すわけにはいきません。
カトマンズでは様相が変わります。妻を買い物に出さず夫が代わってします。ある晩、拙宅で大勢と食事をしていた時、ネパール人の夫が突然入ってきて日本人の妻を無言で連れ帰ります。遅くまで外で男たちとなんてことだというのでしょう。カルチャーショックですが、ネパール人特有の《嫉妬》深さも感じられます。妻は夫の専有物であり、人格が尊重されないのではないかとさえ思えます。
《嫉妬》は、ネパール社会の合意形成や意思決定にも影を落としています。議論の中で如何にも「正論」風の持論を述べる人がいるのですが、多くの場合本質から外れています。屁理屈を並べて足を引っ張ります。《嫉妬》を隠した敵意のこもった反対論が展開されます。不毛な議論が延々と繰り広げられるのです。
役所の底意地悪い対応ぶりにも、我々外国人はひたすら耐えるしかないのでしょうか。
(スガジイ)