2017年8月18日金曜日

8月18日


2015425日の地震によってランタン村は壊滅しました。ランタンリルン峰(標高7227m)の氷河の崩落によって村全体が氷で埋め尽くされてしまったのです。

この村には55軒のトレッカー用ロッジがあり435人が在住していました。行方不明者は403人、うち外国人131人と発表されましたが、トレッカーやそれに付随するガイド、ポーターなどがさらにいたものと思われます。

西の小高い丘の上の集落ゴンパは崩落時の突風によって建物が吹き飛ばされました。昼食をとったロッジの主人は大岩の陰に隠れて難を逃れたようです。ランタン川対岸の大木が根こそぎ倒れているのもこの突風によるものと思われます。このほか東のムンドゥやキャンジンゴンパも地震の揺れによる壊滅的被害がありました。4集落合計で131世帯671人の被災者です。

父親から引き継いだキャンジンゴンパの僧であるロッジのサウジ(主人)によると、この谷のチベット人は1959年に中国軍のチベット侵攻から逃れ、ケルン、ラスワガリ経由でこの地に来たといいます。地名の由来は、Lang: 牛、Tang:険しい道、牛が険しい道を上った、というところでしょうか。

それ以前400年ほど前にタマン族が入植していたとのことです。その後チベット人が入ってきたわけです。産業は牧畜と農業の半々です。80年代末からトレッキングが盛んになり、今ではほとんどすべての村人が観光関連業に携わっています。

キャンジンゴンパから上流部にはいくつもカルカ(放牧地)があったのですが、今では牧童小屋も崩れており、村人が言った通りカルカにいるのはヤクの類(チベット牛)ばかりです。

さて、これら4集落の復興ぶりといえば目をみはるばかりです。以前より数倍大型のロッジを鉄筋コンクリートでいち早く建設しています。石積みのロッジも政府の耐震設計に準じています。

規模によって200万から1000万ルピーかかったそうです。いずれも自己資金です。ソルクンブのシェルパも地震後いち早くロッジを立て直しましたが、さすがにチベット系の人はビジネスにさといと感じました。

(スガジイ)