2017年8月4日金曜日

8月4日

ここ何年か日本人の主婦からカトマンズの物価の値上がりをこぼされます。国際通貨基金(IMF)発表の消費者物価指数の推移をみると、2008年から毎年の上げ幅が大きくなっているのがわかります。名目GDPの急上昇もこの年から始まります。
この年はリーマンショックが起きた年ですが、ネパール経済と切っても切れないインドも2008年を境に同様の傾向を示しています。バングラデシュも同様です。他のアジア諸国では別のトレンドなので、インドを中心とする経済圏の特異現象なのかもしれません。
ちなみにネパールの経済学者は、リーマンショックのネパールへの影響について、グローバル経済から孤立した国だから影響はほとんどないと言っていました。
私は生活必需品の買い物をしないので、物価の値上がりを皮膚感覚でとらえることはできませんが、タクシーの料金の高くなったのは感じます。誰も料金メーターは使いません。運転手に聞いてみると、一日の売り上げは2,000から2,500ルピーのようです。オーナーからの車両借り賃が1,000ルピー、ガソリン代が700ルピー、粗利は300~800ルピーです。これでは生活も楽でありません。
カトマンズではほとんどの人がスマホを持っています。携帯電話契約数が1百万台を超えたのが2006年です。前年比500%増です。この年から急激に伸びて、2015年には2,751万台に達しました。国民一人1台の計算です。2006年はマオイスト内戦が終結した年です。
もう一方の通信革命の雄であるインターネットの普及率推移を見ます。2010年から急上昇します。この年一年で4倍の増加です。2009年に1.97%の普及率であったものが2015年には17.58%とこの間9倍に増えています。
おりしも連邦制に移行するに際し、情報通信技術の普及向上が地方自治体の発展を左右するように思われます。
また、これらの現象を見ると、平和になって経済発展の速度が促進されることが見て取れますし、政治が不安定でも国民はしたたかに富を追い求めているのではないでしょうか。
(スガジイ)