2017年4月28日金曜日

ゴルフ

日本で十数年ぶりにゴルフをしました。ゆったりとしたフェアウエー、芝が熟練的に管理されたグリーン、新緑が燃え花の咲き乱れるコースの中で18ホールがあっという間に過ぎてしまいました。大学の体育会クラブのOB会コンペです。
体育会には「新人哀歌」というこんな歌がありました。


〽部長先輩雲の上、三年四年はお偉くて、二年の餓鬼ども山の上、お山の大将で大威張り
〽威張りなさるな二年生、一年無駄飯先に食い、そろいもそろって穀つぶし、一年前を忘れたか


私の学生時代のことですが、一年生はひたすら「雑巾がけ」に汗を流しました。シゴキに耐えました。二年生は中間管理職です。一年生の面倒を見ながら、鍛えながら、そのうえで三年四年生の意向を「忖度」して部の運営の円滑化を図るという微妙な立場にあります。三年四年時は幹部として運営や活動時の危機管理に神経をすり減らします。口うるさいOBの眼があります。


会社組織を見ているようです。「過労死」や「ブラック」と言われる企業の報道が後を絶ちません。企業活動の理念や目的を意識していないこともあるのでしょうが、経営者や管理職として労務管理の「こころ」が抜け落ちているように思われます。早い時期に人の上に立つ訓練が必要であると思われます。大学の4年間は勉強をあまりしませんでしたが、組織運営を身をもって学んだことで良しと言い訳しています。


さて、ゴルフのスコアですが、久しぶりにしてはまあまあであったとしておきましょう。


「一打ごと何のかんのとヘボゴルフ」(鎌田ほづみ、平成サラリーマン川柳傑作選)

(スガジイ)

2017年4月21日金曜日

金さん、ごかんべん

414日に日本に一時帰国しました。早朝の成田着便です。空港敷地に沿って満開の桜が続きます。成田空港は羽田に比べて自宅まで遠いのでいつもは羽田を使います。

私といえば成田空港のほうが好きなのです。空港から千葉までの鉄道にしろ高速道路沿線にしろ、日本の原風景ともいえる里山の趣に、ああ帰ってきたのだという癒される気持ちになるのです。

東海道線、子供のころは湘南電車と言っていましたが、大船を過ぎると両側は野菜畑の風景になります。大磯にいたるとますます気持ちが和らぎ、西行の秋をうたった『鴫立つ沢』旧跡のある二宮を過ぎ、小田原の先は相模湾が春の色に光ります。この間、沿線にはいろいろな種の桜木が花を散らせているのです。

我が家の枝垂れ桜はとうに花を終わらせましたが、3月の寒さで開花が遅れたソメイヨシノは満開です。華やかさに心を奪われながら、モミジの若葉のやわらかな あおさに心が向きます。

西行の桜花をうたった「はなのしたにて春死なむ」は有名ですが、白洲正子『西行』(新潮文庫)は、晩年の「地獄の猛火の中で苦しんでいる男女を描いた」歌をあげて、「地獄絵の歌のほうがはるかに真に迫っており、なぜ晩年になってこのように凄惨な情景を詠まねばならなかったのか」と問うています。

桜花に浮かれるとき、西行の懊悩に比べるべきもありませんが、私も若いころの浅はかなできごとが夢に出て脂汗をかくような歳になってしまいました。


(スガジイ)

2017年4月14日金曜日

クラス仲間はいつまでも

2月の当欄で「寒さももう少しの辛抱です」と書きました。

例年なら、2月のシバラトリ(シバ神の夜祭)から3月のホーリー祭を過ぎると一雨ごとに温かさが増し、2530度の気温になります。今年の3月は20度以下の気温で長袖がなかなか手放せませんでした。

4月になるとそれでも温かさが増して、やっと入学式日和となりました。

8日がカトマンズ補習授業校の入学式でした。校長を拝命している私は式辞を述べるのですが、去年の入学式では、学校は勉強するばかりでなく長く付き合える友達を作る場であると話しました。その話を生徒が覚えているかと卒業式で問うたところ、23人しか覚えていません。そこで、今年も同じ話題にしました。

私が日本に帰ると小学校の同級生が飲み会を開いてくれます。いくつになっても〇〇ちゃんと子供のころの呼び名ではなしています。生まれ育った故郷の友はいいものです。たまさかに街で旧友にばったり出会ったときなど、長年会っていなくとも面影が残っているもので、すぐさま思い出します。時々名前が出てこないのは年のせいかもしれません。

私は会社時代には海外事務所の単身赴任が長かったため、自分の子供たちの学校行事にはほとんどといっていいほど参加したことがありません。いまでも妻や子供から非難されます。補習授業校の父兄の皆さんが学校の運営や行事に積極的に参加されるのを見ては自責の念にさいなまれるのです。校長とは名ばかりで、行事の挨拶ぐらいしか役に立たない《イベント校長》です。運営委員会の皆さん、父兄の皆さんお役に立てずにすみません。

さて、このコラムですが、もう一年おつきあいいただくこととなりました。よろしくご笑読のほどを。

(スガジイ)