2018年3月9日金曜日

3月9日


ネパール人のお宅におよばれして延々とおしゃべりと飲み物が続き10時ころになってやっと食事が出るのを経験したことがありますか。あるいは次から次へとご飯を継ぎ足して、もう勘弁してというような。

最近の農業開発省(MOAD)の調査によると1991年をピークにコメの一人当たり年間消費量が減っているのです。198991年が106kg9901年が99kg201113年が87.75kgとピーク時の8割です。

いっぽう、1970‐72年を見ると82kgにとどまっています。私が初めてネパールに来た頃ですが、カトマンズの中流家庭でさえ毎食コメというわけではありませんでした。ましてや山地ではコメを常食とする家庭はごく少なく、マカイ(トウモロコシ)やコード(ヒエ)のデュロ(蕎麦がき様のもの)でした。

コメの消費が増えたのは、報告書では、山間部への道路建設が進んで流通が整備されたこと、主要産地のテライ地方の人口が増加し始めたこと、食料供給公社が設立されて食糧危機に見舞われている地域に供給を始めたこと等がいわれていますが、この間品種改良、灌漑設備の整備等によって単位当たりの収量が増え続けています。

それでは減少した理由はなんでしょうか。食生活の多様化があげられています。動物性たんぱく質摂取の増加、外食がポピュラーになった点です。確かに私の世代のカトマンズで育った人は、子供の頃肉はダサイン祭の時しか食べた記憶がないといっています。出稼ぎの人口減は配慮されているでしょうか。

一人当たりの消費量が減っているにもかかわらず、穀類の輸入は増え続けています。農産物、加工品の輸入額は年間1千億ルピーにのぼります。国内総生産の4%にあたります。コメの総生産量は1980年より5割増えています。

農産物輸入の第三位は野菜類です。カトマンズのカリマティ青果市場取り扱いの野菜の半数近くがインドからの輸入といわれています。国境の町の八百屋の野菜は多くがインド産です。品質も優れています。

インド政府は農業、農民保護政策として手厚い補助金を支給しています。ネパールの農家は価格競争で負けるといわれます。新たな首相が誕生するたびに農業は優先政策にあげられます。オリUML政権の本気度やいかに。国にそして国民に思いを致す政治家は? 

(スガジイ)