2017年3月3日金曜日

特務機関とパゴダ ~戦争と平和~

ポカラのフェワタールの丘の上にある世界平和パゴダをご覧になったことがあると思います。藤井日達上人が起こした日本山妙法寺が建立したものです。

外務省OBで在ネパール大使館にも再三勤務された菊池法純さんが「藤井日達上人のネパール開教と王制崩壊」という氏の論文を送ってくださいました。上人は1974年ビレンドラ国王に謁見し、ルンビニとカトマンズでの宝塔等の建設許可を得たのですが、まもなく取り消されました。上人一行はポカラの有力者と仏塔を建設することとし、仏像奉安直前まで至ったところで警察によって破壊され、逮捕ののち国外退去の処分を受けました。王宮前に整列しうちわ太鼓で法名を唱えて抗議する等の行動をとっていました。

同じころ、太平洋戦争中F機関と称する旧日本軍特務機関を指揮し、自衛隊創設にも加わった藤原岩市氏が妙法寺の僧侶とともにカトマンズを訪れています。私は両氏とお会いする機会を得ました。日達上人には、開祖日蓮上人のアグレッシブな教えを伝道すべく、何事にも動じない謹厳なお顔そのもののご性格を感じました。一方の藤原氏は、シンガポールやビルマ戦線で縦横に活躍された軍人とは思えぬ好々爺然とした方で、特務機関とはかくなるものかという思いがしました。

菊池さんは妙法寺とF機関の結びつきに思いをされますが、なぞとしています。

日達上人の1930年代からのインドでの布教活動と、F機関のインド人指導者ボースとのつながりとその任務を考えれば、両者の間に何もなかったはずがありません。そして1979年代のネパール会議派と両氏の企図していたのは何か、興味の尽きないところです。

この辺りの事情をご存知の方がいらしたら、ご教授いただければ幸いです。


(スガジイ)​​