2017年7月21日金曜日

7月21日

623日付の新聞各紙は調理用ガス(LPG の供給が不安定になるかもしれないと報じています。一昨年、長期にわたってインド国境封鎖に伴ってLPGを含む石油製品などが大幅に不足したのが思い出されます。
おりしも地方選挙でマデシ系政党が憲法改正の先送りを理由に選挙ボイコットを宣言してプロビンス‐2の投票日が再延期されました。しかし今回のLPGの供給問題はこれとは関係が薄いように思われます。
これまでLPGのネパールの供給業者の貯蓄所(全国に46か所)までのインドからの輸送はインドの運送会社が請け負っていました。775台が稼働しています。インドの業者に物流を握られているのはネパール側としては不都合があったのでしょう。想像に難くありません。
ネパールの供給業者は輸送の不都合を解消するために自前のPLGローリーを持つこととして、55億ルピーを投じて400台のローリーをインドメーカーから調達し、さらに398台が発注済みとのことです。
供給不安定予測の理由はこういうことです。インドの法律によると、LPGローリーは危険物輸送に関するライセンスをインド保安当局が付与します。ところが外国ナンバーに付与する要件がありません。この調達したローリーはネパールナンバーです。
インドの国内法ですから外国ナンバーの車両への認可は想定していないのかもしれません。インド輸送業者やその恩恵を受けている人からすれば既得権を侵害するものと言えましょう。インドは最近の目覚ましい経済発展の陰に、グローバリズムに反する国内産業の保護政策があります。
それにしても、ネパール人の「思い込み」あるいは周りの「空気を読まない」というしばしばみられるビヘイビャーが出てしまったと残念に思うところです。消費者にツケを回さないようにしてもらいたいものです。
(スガジイ)