2017年9月15日金曜日

9月15日


8月に入ったら、果物屋の店先にカキやナシが並んでいました。いずれも小ぶりでした。
ナシはネパール語で《ナスパティ》、何となく連想しやすい語感です。村に行くと小さくて硬いイシナシがたわわに実っています。この季節、農家の庭先でごちそうしてくれます。

カキはネパール語で何というのでしょうか。私の古い友人の家の庭に渋柿があります。彼らは木に熟すまでおいておき渋を抜くようです。ある日、我が家に籠いっぱいのカキ持ってきてくれたので、妻が干し柿にしてお返ししました。この干し柿つくりは鳥との戦いだったようです。

ナシとカキの日本品種導入は、JICA果樹開発プロジェクト/フェーズ2で実施されました。1992-99年のことです。カトマンズ盆地とカブレ郡が対象です。ナシは豊水と長次郎、カキは甘柿が富有と次郎、渋柿が平核無です。

日本人会婦人部ではバクタプールになし狩りに行くのが恒例でしたが、いつのころからか病気が出て不作続きということで、立ち消えになってしまいました。せっかく根付いた高級果物なので技術を絶やさないようにしてほしいものです。

プロジェクトの後を継いだのが青年協力隊(JOCV)の諸君でした。毎年、盆踊りに秋の果物を出店してくれますが、今年が豊作であることを祈ります。

プロジェクトのリーダーが近藤亨さんでした。JICAプロジェクトに続いて、私財をなげうって「ムスタン開発協会」を設立運営し、ムスタン郡の果樹の普及に努められました。一昨年93歳で惜しまれながら亡くなりましたが、通称『コンジー』でした。『すがジー』は不遜にも跡を継いだものです。

コンジーのすがジー評は、「あんたはいい人なんだが、麻雀をやらないのがタマにきず」。80歳過ぎても徹夜麻雀にいそしんでいらしたそうで、妻は『起きたっきり老人』と揶揄していました。

店先で見たナシ、カキはネパールの在来種か、あるいは導入品種の管理が悪くて大きくならなかったものかもしれません。


(スガジイ)