2016年10月7日金曜日

ゴンパ百彩

不動産屋の新聞広告にチベット仏教のゴンパ(僧院)用地というのがあり驚きました。それほど需要が多いということなのでしょう。この10年の間に、カトマンズ盆地の周辺農村部には多くのゴンパが建てられています。いずれもお城みたいな立派な建物です。


アジア各国、欧米の仏教徒やチベット支援者の寄付によるものだそうです。ゴンパの主は、古くから移住して辺境の村にいたラマ僧に加えて、中国のチベット侵攻後にネパールに逃れてきたラマ僧です。私の知己のラマ僧は頻繁に外国に招待されて留守にしています。スクーターに乗り始めたと思ったら、昨今は自家用車を運転しています。


マナスル登山のベースキャンプのあるサマ村からプンゲン氷河に沿って登ると、氷河の押し出した台地の奥にささやかなゴンパがあります。標高4,000ḿを超えています。マナスル峰とP29峰にいだかれた谷間の草原です。

訪れた日は釈迦降臨の行事が行われていて、多くの村人が供物を持って参拝しています。私は風の音のみが聞こえる草原に寝転んでいるうちに、おのれの存在が溶け込まれるようなこんな自然の中で人生の最後を迎えられたら素晴らしいだろうと、そんな思いがふと頭をよぎりました。




(スガジイ)