2017年5月5日金曜日

金氏弁的旧市街

アサントールは古い時代からの商店街です。

バサンタプール旧王宮からまっすぐ北東に延びる近世の街並みの東の端にあたります。寺院を中心としたトール周辺は乾物屋の常設店が密集し、朝夕には野菜の市が立ちます。インドラチョークへのメイン通りは荒物、金物の店が並び長年景観が変わらないように思えます。

アサントールの南裏路地にはサリーの問屋がひしめいています。薄暗い路地が華やかです。近年はデザインの変化が激しくなっています。ラメが流行ったり、刺繍であったり、ここ数年はインド映画に出てくるような派手なデザインがこの路地でも見られるようになりました。私にはインド絹の伝統的な落ち着いた色合いのデザインや、夏用の羽根のように薄く軽やかな木綿や麻のオリッササリーが好ましく感じます。

このまた南のニューロードまでの広い地域は、新しいビルがぎっしりと立ち並ぶ細い路地の既製服問屋街です。カトマンズっ子はもとより地方の小売店主が大きな荷物を抱えて店から店へと買い出しに精を出す様子はネパールで一番忙しい街といっても言い過ぎではないでしょう。この街がにぎやかになったのは中国の縫製業の発展と無縁ではないと思われます。

アサントールの寺院の脇からマハボーダに抜ける細い路地をご存知でしょうか。カトマンズの秋葉原といわれている電器屋街です。既製服問屋街を日本橋馬喰町、浅草橋とすると、この地域の特性がわかります。

昭和30-40年代の家庭の三種の神器というとテレビ、冷蔵庫、洗濯機でした。

アサントールの電器屋街のいまどきはやりの家電は、液晶テレビ、冷蔵庫、音響機器です。スーパーマーケットやショッピングモールがいくつもできましたが、アサンの路地裏は私の長年の定点観測マーケットです。

(スガジイ)