2018年2月2日金曜日

2月2日

確定申告の季節です。支出を眺めていると前期までなかった項目に気が付きます。医療関連費です。今までは年に一度の健康診断と、せいぜい花粉症の耳鼻科費用程度でした。団塊世代の高齢化とともに医療費が目に見えて膨らみ、国の社会保障費用が急増するのが容易に理解できます。日本の高度成長経済を支えた労働力であった私の世代も、歳をとると厄介視されるようになります。

先日、シャワーを浴びていて足音を滑らしバスタブの外のタイル床に頭をしたたかに打ってしまいました。バスタブのふちがテコの支点になって受け身をとれなかったこともありますが、とっさに対応する能力が衰えていることも事実です。

以前八ヶ岳登山の経験を書きました。若い時なら何ともない登山道であったはずです。歳をとって足腰が弱ったためにバランスが不安定になって、その上に反射神経が鈍くなったために自信を喪失したことが恐れにつながったのでしょう。老いを感ずる今日この頃です。
そんな時インターネットのニュースのYouTubeで動画を見ていると、往年のフォークグループ『かぐや姫』の復活コンサートがあるではありませんか。1973年の大ヒット曲「神田川」をはじめ、大好きな「妹よ」「おもかげいろの空」「僕の胸でおやすみ」を口ずさみながら夜中まで楽しみました。南こうせつ、伊勢正三、山田パンダ、懐かしい顔ぶれは、70年安保が終わり全共闘運動が収束しつつあった時代です。

大学に入って東京で暮らし始めると、キャンパスが都心にあったこともあり、政治運動の洗礼を受けることになります。既成左翼政党による「反エンプラ闘争」、市民団体による「べ平連運動」、左翼=平和主義で進歩的の印象に共感したものです。半面、プロの運動家の言葉のウワスベリに不快感も覚えました。私にとってサヨク運動はエスタブリッシュメントに対する心情的反抗でした。

キャンパスが全共闘によってバリケード封鎖され、親しい友人も立てこもっていました。そんな状況下で1969年に『五つの赤い風船』が歌った「遠い世界に」があります。「遠い世界に旅に出ようか」で始まり「明日の世界を探しに行こう」で終わります。暗い情念が覆うような時代に海外渡航の夢をともしてくれた歌でもありました。

(スガジイ)